施工前後比較写真
施工前
施工後
点検・調査結果報告
Ⅰ、屋根部分(汚染の状況・塗膜劣化について)
Y様邸の屋根は、モニエル瓦と云うタイプの瓦です。輸入されて瓦で、現在国内に販売されていません。モニエル瓦の一番の問題点は、スラリー（瓦表面に浮き出る粉状の旧塗膜）を発生させない下地処理です。現状的には瓦の表面の塗膜剥離は生じていませんが、高圧洗浄を行った場合、広範囲に旧塗膜が剥がれる可能性が高いと思います。
カチオン系の下塗り材をたっぷり塗布して、ウレタン系、出来ればシリコン系以上の塗装が理想的と判断します。
Ⅱ、外壁部分(塗膜劣化、汚染の発生状況)
外壁はモルタル壁の上に、最初はスタッコ吹付塗装が行われていました。その上から水性アクリルリシンをローラー塗装していると判断します。問題は、塗料の性能です。アクリル塗料の場合、防水性能・耐候性能は約8年程度。ウレタン塗料では、10年～12年程度。シリコン塗料13年～15年程度。フッソ塗料で15年～18年程度とお考え下さい。（下地やその他の要因で、数年の差が出ます。）
コケやカビなどの微生物汚染が確認できます。
Ⅲ、外壁・基礎のひび割れや亀裂の発生状況
建築図面等を確認していない状態なので、現状とお施主様のお話しを総合的に判断しました。ニッセキハウスの住宅であれば、軽量鉄骨構造で、外壁はＡＬＣ（発泡コンクリート）の建物です。外壁のビビ割れは目立ちませんが、基礎部分に複数のひび割れが生じています。もし仮に壁にひび割れが生じた場合でも、スタッコ吹付塗装が新築時に施工されているので、表面化していない可能性があります。基礎部分のひび割れに関しては、塗装しない方が無難です。シリコンコークで補修したいと思います。
Ⅴ、破風板部分(塗膜剥離、下地処理の必要性)
破風板部分の素材は、鉄板の上にビニールコーティングしたものを使用されています。前回、塗り替えでは、アクリル系又は、ウレタン系の塗装です。表面の剥離箇所を専用の道具で入念にケレン作業を行い、場合によっては密着性を確保する為の専用シーラーを塗布して、再塗装を行います。
Ⅵ、雨樋(劣化、退色・変形・破損などの発生状況)
塩化ビニール製の雨樋は、前回塗装が行われています。ウレタン系の塗装なので、既に表面が粉状に劣化しています。紫外線や雨で傷んでおり、2階部分は目視で判断するよりも、かなり傷んでいる様です。 ウレタンよりも上位の塗装がお勧めです。
Ⅶ、金属部分(塗装の有無の確認、他)
金属部分で現場での塗装が可能な金属は、鉄のみとお考え下さい。その他の金属（アルミ・アルミ鋳物・ステンレス・ガルバニュウム）などの金属は、赤外線焼付塗装でなければ金属と塗膜の密着性が確保出来ない為、塗膜の膨れや剥離の原因になります。
雨戸や換気フード、ひさし板金などが本来塗装の対象となります。
Ⅷ、ベランダ周辺部分
2階のベランダ壁は、外壁同様の塗装を行いますが、手摺やデザイン格子がアルミ（鋳物）製であれば、本来的には無塗装がお勧めです。前回塗り替えでは、塗装が行われた可能性があるので、この部分に関しては、お施主様と再度打合せを行う必要性を感じます。
アルミ製で再度塗装する場合は、工事保証書の対象外とさせていただきます。
施工写真ギャラリー
【施工前】
【施工前】
【施工前】
1.工事前・点検時
Y様邸は今回2回目の塗り替え工事なります。 屋根・外壁その他の旧塗膜は経年劣化していました。
【北側壁の劣化と汚染】
【微生物汚染】
【雨戸の塗膜劣化】
2.工事前・点検時
目視の段階では、外壁塗膜が劣化した事により、コケなどの微生物汚染が目立ち、雨戸や破風板などの金属部分の塗膜の劣化も気になりました。
この原因は、塗り替え時に使用した塗料がウレタン系の為、塗料の耐久性能を超えたことによるものと推察されます。
【仮設足場の設置】
【仮設足場の設置】
【仮設足場の設置】
3.仮設足場設置
まず最初にビケ足場を家の全周囲に設置しました。 塗料の飛散防止ネット張りは、再点検後に施工した方が、強風時の管理に都合が良いので、後で張る事にしました。
【カッターで塗膜に傷をつける】
【スポットテストで塗膜剥離の有無を確認】
【棟瓦の剥がれ】
4.仮設足場工事後の再点検
足場仮設後に、再度屋根や雨樋、樋金具、樋の勾配（傾斜角度）、外壁や金属部分などを入念に点検しました。 特に2階の棟瓦は以前手直しした形跡があり、剥がれかかっていました。このまま予定通りに高圧洗浄を行えば、雨漏りの危険性が高いので、手直しが必要と判断しました。
【雨樋のグラツキ確認】
【2階南面横樋割れ】
【2階西面横樋の割れ】
5.仮設足場工事後の再点検
樋受け金具のグラツキ、勾配不良は無かったものの、雨樋の割れが2箇所確認されました。 同じ形状の部材をメーカーに在庫確認しましたが、生産中止だった為、別の方法で手直しを行う事にしました。 洗浄作業は手直し後に変更する事になりました。
【棟瓦不具合箇所】
【棟瓦を剥がす】
【棟モルタル補修】
6.2階南西棟部分取り直し （サービス工事）
7月24日（土）の足場仮設後に行った再点検で判明した、棟の不具合箇所を部分的に改修を行いました。
【棟部分取り直し完了】
【横樋破断箇所】
【補修完了】
7.棟瓦復旧と雨樋破断箇所の補修 無償サービス工事完了
本棟の剥がれて箇所を補修して、一部横樋が割れていた箇所をアルミテープで補修を行いました。
【屋根の洗浄】
【軒裏・壁の洗浄】
【玄関付近】
8.高圧洗浄作業
洗浄水の飛散に注意しながら、屋根・外壁・破風板・雨樋・雨戸・窓ガラス・網戸その他を高圧洗浄機で洗浄しました。
【使用コーキング】
【モルタルのひび割れ】
【コーキング済み】
9.コーキング工事
外壁は全体的にひび割れが生じていました。変性シリコンコーキングを使用して、丁寧にひび割れ部分に充填しました。
【モルタルのひび割れ】
【コーキング済み】
【基礎との境目】
10.コーキング工事
玄関付近にも目立つひび割れが発生していました。壁部分には、塗装可能な変性シリコンコーキング。 基礎部分は塗装しないので、シリコンコーキングを行います。
【窓の養生】
【ベランダ周辺の養生】
【エアコン室外機専用ネット】
11.養生作業
窓やアルミサッシ、その他に塗料の飛散を避ける為に、ビニールや布で覆う作業を養生といいます。 とても大事な作業です。
【使用塗料】
【1階軒裏下塗り】
【2階軒裏下塗り】
12.軒裏天井下塗り
ナックベース（SR-103)白で、下塗りを行いました。
【上塗り作業中】
【上塗り作業中】
【上塗り完了】
13.軒裏天井上塗り
下塗り同様の工程で、上塗りを行いました。
【使用塗料】
【遮熱下塗り中】
【遮熱下塗り完了】
14.外壁遮熱下塗り
水性クールテクトプライマーで、外壁の遮熱下塗りを行いました。
【使用塗料】
【遮熱中塗り】
【遮熱中塗り完了】
15.外壁遮熱フッソ中塗り
水性クールテクトF（CT-113)で中塗りを行いました。
【使用塗料】
【遮熱上塗り】
【遮熱上塗り完了】
16.外壁遮熱フッソ上塗り
中塗り同様に、遮熱フッソで上塗りを完了しました。
【マジックロンでケレン】
【工具を使用してケレン】
【ケレン作業終了】
17.屋根瓦のケレン作業
高圧洗浄機で瓦を丁寧に塗膜剥がしを行いましたが、下地の状態が悪く、再度1枚ずつ旧塗膜を剥がす作業を行いました。
【使用塗料】
【破風板下塗り】
【破風板下塗り】
18.破風板下塗り
クリーンマイルドシリコン（現在色合わせ）で、破風板を塗装しました。
【破風板上塗り】
【破風板上塗り】
【破風板上塗り終了】
19.破風板上塗り
同様の工程で、上塗りを行いました。
【使用塗料】
【横樋下塗り】
【縦樋下塗り】
20.雨樋下塗り
クリーンマイルドシリコン（現在色合わせ）で、雨樋の下塗りを行いました。 *破風板・雨樋・板金鉄部も同色です。
【縦樋上塗り】
【縦樋上塗り】
【縦樋上塗り】
21.雨樋上塗り
再度クリーンマイルドシリコン（現在色合わせ）で、上塗りを行いました。
【庇板金下塗り】
【換気扇フード下塗り】
【雨切り板金の下塗り】
22.鉄部下塗り
破風板・雨樋・鉄部と同色で、鉄部を塗装しました。
【庇板金上塗り】
【換気扇フード上塗り】
【雨切り板金の上塗り】
23.鉄部上塗り
クリーンマイルドシリコンで鉄部の上塗りを行いました。
【雨戸ケレン作業】
【防サビ塗料】
【サビ止め塗装】
24.雨戸のサビ取りとサビ止め塗装
錆が発生している部分や旧塗膜のケレン作業を行い、錆止め塗装を行いました。
【使用塗料】
【雨戸下塗り】
【雨戸下塗り終了】
25.雨戸の下塗り
雨戸の下塗りには、クリーンマイルドシリコン ニトN-20（黒系）で吹付を行いました。
【上塗り中】
【上塗り中】
【上塗り終了】
26.雨戸の上塗り
下塗り同様にクリーンマイルドシリコンで、仕上げを行いました。
【使用塗料】
【遮熱下塗り】
【遮熱下塗り完了】
27.屋根の遮熱下塗り
マイルドシーラEPOホワイトで、屋根の遮熱下塗りを行いました。
【使用塗料】
【遮熱中塗り】
【遮熱中塗り完了】
28.屋根遮熱フッソ中塗り
遮熱フッソ塗料のクールタイトF（CLR-112）マルーンで、中塗りを行いました。
【使用塗料】
【遮熱上塗り】
【遮熱上塗り】
29.屋根の上塗り
中塗り同様に、クールタイトF（CLR-112)で、仕上げを行いました。
【ジャッキベース下】
【ジャッキベース下塗り】
【ジャッキベース上塗り】
30.ジャッキベースの下を塗装
主に1階屋根の上に、足場を組む際ジャッキベース（足場を支える足の部分）を設置しています。この部分も他と同様に、3工程ローラー塗装しました。
経年劣化及び、黄砂などが堆積した場合、若干色が違う場合がありますが、問題はありません。
【1階屋根仕上がり】
【2階屋根仕上がり】
【2階屋根仕上がり】
31.屋根塗装完了写真
【南側】
【西側】
【東北側】
32.足場解体前の点検写真
全ての工事が終わり、足場ネットを外しました。 再度確認作業を行い、足場を撤去させていただきます。
