施工前後比較写真
施工前
施工後
点検・調査結果報告
屋根部分(汚染の状況・塗膜劣化について)
一般的に建物の屋根は、紫外線や雨の影響を一番受ける場所なので、塗膜の劣化や耐候性能が一番最初に現れる場所です。N様邸の屋根はセメント瓦で、塗り替えが必要な素材です。目視の段階では、比較的塗膜の傷み具合は少ない様ですが、瓦表面の光沢の低下やコケの発生状況、それに築年数などを考慮すると、今回、外壁その他の塗り替えを行う際には、屋根も塗装した方が、費用対効果の面から考えても、必要と判断します。
Ⅱ、外壁部分(塗膜劣化、汚染の発生状況)
外壁は、磁器タイル面・スタッコ吹付・ベルアート吹付面などで構成されています。磁器タイルの外壁部分は、塗装に不向きです。主に南側の外壁は、紫外線や雨の影響で塗膜の劣化が進行しています。北側はコケや雨だれが目立ちました。塗膜の劣化状況を考えると、塗り替えの時期が来ていると判断します。現状使用されている塗料は、水性のアクリル系と判断します。次回は、ウレタン系以上、シリコン系をお勧めします。
Ⅲ、シーリング(すき間・ひび割れの発生状況)
N様邸のコーキング(シーリング)部分は、窓枠の角や幕板のツナギ目などが主な対象となります。外壁のツナギ目については、塗膜が厚いので、今回は外壁のひび割れを除いて、コーキングを打ち替える必要は無いと判断します。現時点で使用されているコーキングの種類は、ウレタン製の様なので、次回は紫外線の熱にも強い、変性シリコンコーキングを使用します。
Ⅳ、軒天井(塗膜劣化、汚染・漏水の発生状況)
軒裏(天井)は、直接紫外線や雨の影響を受けにくい場所なので、他の部分に比べて比較的塗膜の劣化が少ない場所です。但し、雨ジミの場所や範因によっては、屋根からの雨漏り発生の可能性もあるので、出来る限り入念に点検を行いました。使用されている素材は、ケイ酸カルシュウム板で、水性アクリルエマルジョン塗装です。標準的な仕様と云えます。弊社では、ワンランク上の塗装を行う予定です。
Ⅴ、破風板及び窓枠廻り・幕板部分(塗膜劣化、汚染の発生状況)
破風板や窓の枠廻り、それに外壁の幕板部分は、窯業系のサイデングボードが使用されています。木製のもと比較した場合、丈夫で加工し易い素材ですが、表面の塗膜が劣化して、雨水をある程度吸収するようになると、素材が傷んで塗装しても直ぐに剥離する可能性が高くなります。今回調査した範囲では、南側の幕板部分に現れていました。
Ⅵ、雨樋(劣化、退色・変形・破損などの発生状況)
塩化ビニール製の雨樋は、現在無塗装です。次回塗り替えの際にも塗装しない事も考えられますが、塗装する事により、雨樋表面に塗膜を形成して、紫外線による劣化をある程度低減する事が可能と判断します。一般的に雨樋は25~30年経過すると弾力性が極端に低下して、ひび割れや欠けが生じる様になってきます。これらの症状が広がる場合は、交換するケースも考えておいて下さい。
Ⅶ、金属部分(塗装の有無の確認、他)
金属部分で現場での塗装が可能な金属は、基本的には鉄のみとお考え下さい。それ以外の金属(アルミ鋳物・ステンレス・ガルバリュウム)などの金属は、赤外線焼付塗装でなければ、塗膜剥離を引き起こす危険性が高まります。具体的に以下で塗装の有無を確認させて頂きます。
Ⅷ、無塗装部分の確認
非鉄金属以外にも、塗装すると不具合が生じやすい部材があります。磁器タイルやブリックタイルなどは、素材の性質上塗装に不向きです。具体的に挙げてみました。
Ⅸ、ベランダ床防水層について(防水膜の劣化・再構築の方法など)
ベランダ床は、FRP防水が行われています。ガラス繊維を敷いて樹脂で固め、その上からウレタン防水を塗布する工法です。(X-2工法)問題は、表面のウレタントップ層が経年劣化しているので、再度ウレタン防水又は、(X-2工法)を再構築ご希望されるのか?現状を踏まえて、別紙見積書において、作業の内容と工事金額を提示したいと思います。
Ⅹ、外塀(仕上げ材の劣化・汚染の発生状況)
外塀のブリックタイル部分は無塗装です。裏側のリシン吹付面のみ再塗装とさせていただきます。 ブロックを積み上げ、その上からモルタルを塗布しているので、内部に溜まった水蒸気により、エフロレッセンス(白華現象)が発生しています。なるべく湿気を外に排出する塗料を選定して、塗膜を厚付けしない方法が賢明です。但し、場合によっては、再度白華現象が発生するケースも考えられます。
施工写真ギャラリー
【屋根】
【屋根瓦】
【北側外壁】
(1)工事前・点検時
新築してから約16年経過しており、経年劣化による傷みが見え始めていました。
【軒裏と破風板の塗膜劣化】
【コケの付着】
【塗膜劣化と雨だれ】
(2)工事前・点検時
破風板や外壁の塗膜が劣化している事で、コケの付着が目立ち、雨汚れなども目につきました。
【足場仮設中】
【足場仮設完了】
【足場仮設完了】
(3)仮設足場の設置
台風の影響なども考慮して、家の全周に金属製の足場を設置して、近隣への塗料の飛散が無い様に、ネットも掛けました。
【屋根の点検作業】
【雨樋と破風板の点検】
【2階部分の点検】
(4)再点検
地上からでは確認出来ない場所を入念に点検を行い、不具合の有無を再度点検しました。
【屋根瓦の洗浄】
【破風板や軒裏の洗浄】
【壁の洗浄】
(5)高圧洗浄作業
塗装する場所以外にも、窓や網戸、塀やタイルなども綺麗に高圧洗浄機で洗いました。
【テーピング・シーラー塗布】
【コーキング注入】
【仕上げ】
(6)コーキング工事
コーキングの劣化個所以外にも、全ての箇所を、変性シリコンコーキングで打ち直しを行いました。
【使用塗料】
【軒裏下塗り】
【玄関天井下塗り】
(7)軒裏下塗り
ベランダの手すりや笠木、床面などを養生した後で、軒裏の下塗りを行いました。
【使用塗料】
【レンガ調の下塗り】
【2階壁の下塗り】
(8)軒裏上塗り
下塗りと同じ要領で、上塗りを行いました。
【下塗り中】
【窓枠下塗り】
【幕板の下塗り】
(9)窓枠周り・幕板の下塗り
窓枠などを養生する前に、下塗りを行います。こうする事で、仕上がりが綺麗に耐候性がアップします。(雨樋や板金なども同じです。)
【使用塗料】
【横樋の下塗り】
【縦樋の下塗り】
(10)雨樋の下塗り
クリーンマイルドシリコン(SR-422)で、雨樋の下塗りを行いました。
【ケレン作業】
【シャッターボックス下塗り】
【雨切り板金の下塗り】
(11)鉄部の下塗り
鉄部は最初にケレン作業を行います。指定の色で塗装を行いました。
【使用塗料】
【破風板下塗り】
【破風板下塗り】
(12)破風板下塗り
各部の下塗りと同じ要領で、破風板も下塗りを行いました。
【2階ベランダ周辺】
【シャッター雨戸】
【外壁コーナー部分】
(13)養生作業
非塗装面をビニールや布で覆う作業を養生と云います。綺麗に仕上げる為の重要な作業です。
【使用塗料】
【外壁の下塗り】
【外壁の下塗り】
(14)外壁の下塗り
水性ソフトサーフSGで、下塗りを行いました。
【使用塗料】
【壁の中塗り】
【壁の中塗り】
(15)外壁の中塗り
水性セラミシリコン(SR-411)で、中塗りを行いました。
【壁の上塗り】
【壁の上塗り終了】
【使用缶数】
(16)外壁の上塗り
中塗り同様の工程で、仕上げ塗装を行いました。
【塗装前】
【下塗り中】
【下塗り終了】
(17)外壁色変え部分の下塗り
外壁の一部は色を変える事になっていました。他と同じ水性ソフトサーフSGで、下塗りを行いました。
【使用塗料】
【中塗り】
【中塗り】
(18)外壁色変え部分の中塗り
水性セラミシリコン(SR-414)で、中塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り】
(19)外壁色変え部分の上塗り
【使用塗料】
【屋根の下塗り】
【屋根の下塗り】
(20)屋根の下塗り
マイルドシーラーEPOクリヤーで、瓦の下塗りを行いました。 仕上がると透明なので、工事写真が重要になります。
【使用塗料】
【屋根の中塗り】
【瓦の先端部分も塗装】
(21)屋根の中塗り
ヤネフレッシュSi(RC-117)で、瓦の中塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り完了】
(22)屋根の上塗り
塗料の飛散に注意しながら、ローラーと吹付で屋根の仕上げを行いました。
【幕板上塗り】
【窓枠廻り上塗り】
【窓枠廻り上塗り】
(23)(各部仕上げ)幕板・枠廻りの上塗り
下塗りと同じ要領で、上塗りを行いました。
【横樋上塗り】
【縦樋上塗り】
【縦樋上塗り】
(24)雨樋の上塗り
ビニールの養生を剥がして、上塗りを行いました。
【破風板上塗り】
【破風板上塗り】
【破風板上塗り】
(25)破風板の上塗り
再度、上塗りを行いました。
【シャッターボックス上塗り】
【シャッターボックス上塗り終了】
(26)鉄部上塗り
既存色に調色を行い、上塗りを行いました。
【使用塗料】
【下塗り】
【下塗り】
(27)ベランダ床防水トップ下塗り
サラルーフ(グレイ)で、ベランダ床の下塗りを行いました。
【立上り部分の上塗り】
【床面の上塗り】
【上塗り完了】
(28)ベランダ床防水トップ上塗り
乾燥の為に日を改めて、仕上げ塗装を行いました。
【屋根完了】
【2階樋・破風板】
【北側完了】
(29)工事終了
各部の清掃と手直しを行い、工事が終了しました。
【北東側】
【玄関正面】
【南側】
(30)完了写真
足場を解体して、全ての工事が終わりました。