施工前後比較写真
施工前
施工後
工事にあたって職人からのコメント
築40年以上の木造在来工法の瓦ぶきの屋根から雨漏りがあり、最終的には室内天井の吹き抜けを塞ぐ室内リフォーム工事、一部照明取付などの内外改修工事でした。屋根も部分的に葺き替え、総額120万円台です。
瓦の伏せ換えには、銀黒の平瓦にしました。現状のフレンチ瓦(陶器瓦)は割れていなくても、脆くて再利用できません。費用対効果や耐久性を考えて施工しました。
点検・調査結果報告
Ⅰ、漏水部分の屋根(下地の状態含む)
K様邸は築40年以上経過している、木造(在来)建築の住宅です。今回は屋根からの雨漏り改修の件で、現場での点検・調査及び、見積書の作成を依頼されました。 先ず初めに雨漏り発生箇所と予想される家の北側トップライト(明り取り窓)とその周辺の瓦を剥いで、下地の状態も併せて点検を行いました。先ず、雨漏りの主な原因は経年劣化です。
Ⅱ、下地の改修(施工例)
以前弊社が施工した屋根の改修例です。瓦をふせ替える前の段階を写真を元に、施工の流れを示しました。
Ⅲ、現状の瓦と改修に使用する瓦の種類
新築当初はフレンチ瓦が使用されていました。フレンチ瓦は粘土を成型して窯で焼き、釉薬をかけて再度窯で焼いた瓦です。生産する過程で歪みが発生するので、瓦が割れなくても、雨漏りが発生する事例が多発しました。既に生産が中止されており、改修に使用する事が出来ません。
他にも屋根の改修にはコロニアル屋根材もありますが、現状のバ板(屋根の下地材)の上に構造用合板を重ね張りする必要があるので、全体的に工事単価が上がります。 従って、フレンチ瓦以外の瓦をふせ直すやり方がベターと判断します。
Ⅳ、漏水箇所について(汚染・漏水の跡)
数年前から雨漏りが発生していた模様ですが、気づく前から又は、他にも雨漏りが発生している可能性が大です。
但し今回は、必要最小限を念頭に考慮して、報告書や別紙見積書を作成する必要と考えました。 家の外部や室内の目につく箇所を挙げました。
基本的には、提示した個所の改修は除外して、別紙見積書を作成しました。
Ⅴ、天井裏の雨漏り跡
今回の件で、天井裏については直接点検されていないと思いましたが、見積書を作成する上で、ある程度把握しておかれる方が良いのではと思い記載する事にしました。漏水箇所やその範囲を把握していただき、改修が必要な場所をより正確にご理解いただければと思います。
施工写真ギャラリー
【雨漏り箇所】
【トップライト】
【瓦の割れ補修痕】
(1)現場調査時点
熊手様邸は築45年程度の木造2階建ての住宅でした。屋根はフレンチ瓦(焼き瓦)が使用されています。トップライトの周辺からの雨漏りで、室内天井に不具合が発生していました。
【瓦の不具合箇所】
【手直し跡】
【屋根下地確認】
(2)瓦・下地の点検作業
フレンチ瓦な長年の使用で、重なり部分が雨による浸食があり、瓦自体が再使用に向かない状態であると考えました。割れた瓦をシリコンコーキングで補修した個所が複数確認できました。瓦の下地は、ビニール製の防水紙が使用されており、これにより雨漏りが広がらなかったと考えられます。
【吹き抜け天井】
【キッチン照明取付位置】
【壁の雨漏り跡】
(3)室内の雨漏り跡
主に台所の天井や壁の一部に、屋根からの雨漏りによる不具合箇所が確認できました。(但し、雨漏りの場所は他にもある可能性は否定できません)
【玄関照明器具】
【廊下の照明取外し箇所】
【お縁側スイッチ不具合箇所】
(4)追加見積もり箇所
後日、室内のスイッチや照明器具の取り付け、コンセントの取り換えなどもご依頼いただきました。
【トップライトの撤去作業】
【トップライトの撤去作業】
【撤去後】
(5)トップライト(明り取り窓)撤去
先ず、トップライト周辺の瓦を剥いで、次にトップライトを撤去しました。
【屋根の穴塞ぎ】
【瓦の養生】
【瓦の養生】
(6)穴塞ぎ→養生
ガラス窓を撤去した後で板を張り、その上からビニールシートで雨が降りこまない様に覆いました。
【瓦・サンギの撤去】
【ルーフィング剝ぎ】
【下地の状態】
(7)既存の瓦撤去→ルーフィング剝ぎ
瓦と桟木(サンギ)を剥いで、防水紙(ルーフィング)も全てはぎ取りました。
【屋根の養生】
【ルーフィング新設】
【桟木新設】
(8)瓦の下地造り
工事終了後にビニールシートを張って、夜中に雨が降っても大丈夫な様にしました。(雨じまい)翌日、防水紙(ルーフィング)を張り、瓦を固定する為の桟木を新たに打ち直しました。
【瓦新設】
【強化棟設置】
【瓦工事終了】
(9)瓦の新設工事
台風に強い瓦を新たにふせ直しました。棟瓦も強化棟で補強しました。
【天井枠組み】
【ボード張り】
【クロス張り完了】
(10)室内天井リフォーム
吹き抜け部分を木の枠で補強して、ボードを張った後でパテあてを行い、天井のクロスを張りました。
【点検口新設】
【照明新設】
【照明器具取付】
(11)点検口・照明器具取付
今後の雨漏り、その他の点検のために点検口を取り付けて、キッチンの天井に照明器具を新たに取り付けました。廊下の照明は元からあったものを取り付けました。
【スイッチ取替え】
【コンセント取替え】
【玄関照明取替え】
(12)その他の工事
ご希望により、作動不良のスイッチやコンセント、玄関照明器具などを取り変えました。
【板金屋根の腐食】
【同左】
【板間目地の不具合】
(13)今後の検討課題
今後の課題として、北側の板金屋根に腐食が見られました。特に接合部分は雨水の浸食で、将来的に雨漏れが発生する可能性があります。(症状が出た時点で、対応するのがベターです。)
【外壁の割れ】
【基礎部分の不具合】
【基礎モルタルの剥がれ】
増築部分のモルタル壁に、ひび割れが確認されます。基礎部分のモルタルは、全体的に割れが生じて、割れていない箇所でも、コンクリートから剥離していました。不具合が生じていないのであれば、症状が出た段階で、補修や補強を行えば良いと判断します。