施工前後比較写真
施工前
施工後
工事にあたって職人からのコメント
4年前に寄棟瓦の改修見積もりをご依頼いただいたお客様から、寄棟瓦の改修、外部塗装、ポリカ波板の交換をご依頼いただきました。
特に注目していただきたい施工は、「(21)棟瓦の補強跡」から「(25)強化棟完成」までの瓦の解体から復旧までの流れです。雨漏りの危険がいくつかの場所で確認されたため、安全性や機能性を高めるために強化工事を行いました。工事期間は約1か月かかりました。
工事が完了した後、お施主様から心のこもったお礼のハガキが届きました。4年前に続き、今回もご依頼いただきありがとうございました。
点検・調査結果報告
Ⅰ、屋根部分(強化棟と瓦止めコーキングについて)
2020年に一度瓦の漆喰施工箇所の見積もりを行いました。既に4年近く経過しており、棟の漆喰も前回より脆くなっていました。
瓦が台風時に飛散しない為の対策である、コーキングは既に劣化が進行しており、肝心な時に瓦止めの役割を果たせなくなっている様です。
これらの現状を踏まえて、今回別紙見積書を作成しました。
Ⅲ、外壁のひび割れ・不具合箇所
クボタハウスの建物は鉄骨構造で、比較的軽量で台風などにも強い構造になっています。但し、前回の塗り替えから既に年数が経過しており、
諸所に経年劣化が進行しており、建物内部に深刻な影響を及ぼしかねない症状が目立ちました。 部分的なひび割れや外壁と金属部分の間の隙間等からの雨漏りが懸念されます。
Ⅳ、軒裏天井(塗膜劣化、汚染・漏水の有無)
軒裏(天井)は紫外線や雨が直接影響しないので、塗膜の劣化が緩やかな場所です。但し、屋根からの雨漏りが起こっている場合、色にムラがでたり、塗膜が膨れたりするので、今回も注意して点検作業を行いました。現状的には雨漏りの心配は無い模様です。 長年の黄砂や空気中の汚れが付着しています。再塗装する事で、家全体が明るいイメージに変わります。
Ⅴ、破風板部分(塗膜劣化、汚染の発生状況)
破風板は金属板ですが、ビニールコーティングの製品です。光沢もある様ですが、南側は紫外線の照射が強く、塗膜の劣化も見られました。
塗料の耐候性能は、アクリル系→ウレタン系→シリコン系の順に高くなります。費用対効果の面からすると、シリコン系の塗装がお勧めです。
Ⅵ、雨樋(劣化、退色・変形・破損などの発生状況)
塩化ビニール製の雨樋は、熱による劣化が見られます。築39年であれば、雨樋の交換時期は来ていると判断します。費用の面もあるので、塗装する事も可能ですが、将来的に、破損や脱落の可能性も出てきます。ご検討ください。現状的には塗り替えが行われています。次回は、シリコン塗装が耐候性が高いのでお勧めです。
Ⅶ、金属部分(塗装の有無・不具合箇所の確認、他)
金属部分に関して、現場での塗装が可能なものは、鉄のみとお考え下さい。その他の金属(アルミ・アルミ鋳物・ステンレス・ガルバリュウム)などの金属は、赤外線焼付塗装でないと塗膜の膨れや剥離が生じやすいので、再塗装は避けた方がベターと判断します。
Ⅷ、無塗装部分の確認
今回提出する見積書は2種類です。屋根の補強に関する見積書①と家の塗り替え見積書②です。 住宅に付属する車庫も塗膜の劣化が進行中などで、
仮に塗装をご希望の場合は、別途追加工事になります。それ以外の無塗装箇所は、素材的に再塗装には向かない場所です。ご検討ください。
Ⅸ、外塀(仕上げ材の劣化・汚染の発生状況)
ブロック製の塀も塗膜劣化が目立ちます。笠木(カサギ)部分に剥離が見られます。気になる点は一部に塗膜のフクレが生じている点です。
ブロック内部に溜まった蒸気が温まって、塗膜のフクレとなっています。透湿性を確保できる塗料を使用しても、現状的には、完全にフクレが収まるとは言えない この点ご理解いただき、再塗装する必要があります。
施工写真ギャラリー
【陶器瓦】
【棟瓦補強跡】
【コーキングの劣化】
(1)工事前・見積点検時
T様邸は築39年で、過去に数回塗り替えが行われていた模様です。 屋根は陶器瓦を使用しており、シリコンコーキングによる瓦止め、棟瓦なども補修が行われていました。 外壁塗膜は既に耐候性・防水性能が失われている状態でした。
【南側】
【チョーキング現象】
【雨戸塗膜剥離】
外壁や破風板・雨戸・雨樋その他金属部分も含めて、全体的に塗り替えが急務な状態と判断しました。
【足場仮設】
【足場のネット養生】
【足場のネット養生】
(2)仮設足場組み
足場を組み前に、近隣の皆様に告知とお願いました。 屋根瓦の改修工事や外部塗装工事の際に安全の確保、作業効率化の観点から、住宅の全周に足場を組んで、作業中の塗料や粉塵の飛散防止の為のネット養生を行いました。
【2階棟瓦の剥離箇所】
【モルタル剥落】
【ベランダ床点検】
(3)足場仮設後の再点検
前回も棟瓦補修が行われていましたが、経年劣化でモルタル補修部分の剥落が複数個所確認できました。その点を考慮して、今回棟を剥がして、強化棟を再構築する予定です。
【屋根瓦洗浄】
【2階外壁洗浄】
【玄関付近の洗浄】
(4)高圧洗浄作業
近隣への洗浄水の飛散に気をつけながら、雨漏りにも配慮して、高圧洗浄作業を行いました。 塀なども洗浄済みです。
【使用塗料】
【破風板下塗り】
【破風板下塗り】
(5)破風板下塗り
クリーンマイルドシリコンSR-422(ライトブラウン)で、破風板の下塗りを行いました。
【板金部分のケレン作業】
【幕板 雨漏り箇所】
【ベランダ手すり下塗り】
(6)板金部分下塗り
板金部分(鉄部)に関しては、最初に専用の合ぐで、サビや埃などを除去(ケレン作業)を行い、茶系の場所は破風板同様にクリーンマイルドシリコン (SR-422)で下塗り、ベランダ手すり部分などが現状色に近い色で下塗りを行いました。
【使用塗料】
【横樋ケレン作業】
【横樋下塗り】
(7)横樋のケレン作業と下塗り
劣化した旧塗膜や汚れを掃除した後で、クリーンマイルドシリコン(SR-422)で、下塗りを行いました。
【縦樋ケレン作業】
【縦樋下塗り】
【縦樋下塗り】
(8)縦樋のケレン作業と下塗り
横樋と同じ工程で、縦樋の下塗りを行いました。
【窓廻りの養生】
【玄関周辺】
【床面やエアコン室外機等】
(9)養生作業
非塗装面への塗料の飛散を防止する目的で、ビニールや布で覆う作業を養生と云います。美しく仕上げる為の大事な作業です。
【使用塗料】
【下塗り】
【下塗り】
(10)外壁の下塗り
水性ミラクシーラーエコ(クリヤー)で、外壁の下塗りを行いました。
【使用塗料】
【外壁の中塗り】
【外壁の中塗り】
(11)外壁の中塗り
水性セラミシリコン(SR-415)で、外壁の下塗りを行いました。
【使用塗料】
【外壁の上塗り】
【外壁の上塗り】
(12)外壁の上塗り
中塗りと同じ工程で、外壁の仕上げ塗装を行いました。
【軒裏天井下塗り】
【軒裏天井中塗り】
【軒裏天井上塗り】
(13)軒裏塗装
前回の塗り替えでは、軒裏は外壁と同じ塗料を使用されていました。今回も同様に、外壁と同じ塗料で外壁塗装と同じ順序と回数の塗装を行いました。
(外壁塗装と作業工程が逆になりましたが、ご理解いただく為の報告内容とさせていただきます)
【表側高圧洗浄】
【裏側高圧洗浄】
【乾燥】
(14)雨戸の高圧洗浄作業
クリーンマイルドシリコン(SR-164)で、破風板の塗装を行いました。
【旧塗膜ケレン】
【防サビ塗料白】
【防錆塗装】
(15)雨戸のケレンと防錆塗装
洗浄後に乾燥した状態を確認した後で、再度専用の道具で、旧塗膜のケレン作業を行いました。少しでも塗料の浮きやケレン作業の不備があると、折角性能の良い塗料を使用しても、本来の性能(耐候性)を確保出来ないと考えます。(見えない作業ですが、非常に重要と考えます)
【防錆再塗装】
【防錆塗装完了】
【雨戸中塗り】
(16)雨戸の防錆塗装→中塗り
一部の雨戸については、防錆塗装を行うと、表面にチジミが出てきました。恐らく水性アクリル塗料か何か?を使用した結果だと判断します。部分的にですが、塗料の種類を変えて、再度防錆塗装を完了しました。 中塗りは、クリーンマイルドシリコンSR-111で塗装しました。
【雨戸上塗り】
【雨戸塗装完了】
【雨戸塗装完了】
(17)雨戸の上塗り
クリーンマイルドシリコンで、軒裏の下塗り・上塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り終了】
(18)破風板上塗り
下塗り同様にクリーンマイルドシリコン(SR-422)で、上塗りを行いました。
【横樋上塗り】
【縦樋上塗り】
【雨樋上塗り終了】
(19)雨樋上塗り
破風板同様にクリーンマイルドシリコン(SR-422)で、仕上げ塗装を行いました。
【コーキング充填】
【成型】
【完了写真】
(20)コーキングによる瓦止め
瓦止めに使用していたコーキングは、既に劣化が激しかったので、今回はシリコンコーキングに打ち直しを行いました。熱に強く、20年位は役目を果たします。
【雨漏りの危険性あり】
【雨漏りの危険性あり】
【雨漏りの危険性あり】
(21)棟瓦の補強跡
前回の棟瓦補強から大分年数が経っていたようです。 雨漏りの危険性が高い場所が複数確認されました。
【棟瓦】
【棟瓦解体】
【棟瓦撤去】
(22)棟瓦解体
既存の棟瓦を一旦全て解体・撤去しました。
【金具挿入】
【棟下地造り】
【棟下地造り】
(23)強化棟工事
経年劣化が進行している棟の下地を再構築しました。
【棟下地造り】
【棟下地造り】
【棟下地造り】
(24)強化棟工事(漆喰塗布)
木材を金属で固定して、専用の漆喰を周りに塗布しました。この一連の作業が棟瓦補強には重要なプロセスとなります。
【棟瓦復旧】
【ネジ釘固定】
【ネジ釘固定】
(25)強化棟完成
漆喰を施工した後で、棟瓦を再度ふせ直し、専用のネジ釘で固定して、強化棟の工事が完了しました。
【既存波板】
【波板撤去】
【塗装工事】
(26)南側波板屋根・壁の撤去と新設(追加工事)
1階南側には、波板で屋根と一部壁が設置されていました。足場を組む際に、屋根の波板を撤去する必要がありました。波板も経年劣化で傷んでいたので、再度波板を張り直す工事(追加工事)となりました。
【波板張替え】
【波板張替え】
【波板張替え完了】
(27)波板張替え完了
全ての波板を張り替えました。
【割れた換気扇フード】
【撤去】
ステンレス製換気口に取り換え
(28)換気扇フード取替え(サービス工事)
2階の換気扇フードが割れていました。取り変える必要があり、ステンレス製の物と取り変えました。
【腐食部分補修】
【下塗り】
【上塗り完了】
(29)玄関ドア塗装(サービス工事)
玄関ドアもライトブラウンに塗り替えました。 腐食して穴が開いていましたが、専用の補修材で対処しました。