施工前後比較写真
施工前
施工後
工事にあたって職人からのコメント
ご紹介をいただき、ご依頼いただきました。
築29年の木造住宅ということもあり、外部塗装とベランダ床防水工事を一緒に行う形で、総額140万円台での施工となりました。
破風板、幕板、雨戸などの塗膜が傷んでおり、下地の処理に時間と手間をかける必要がありました。
仕上がり後には目見えない部分ですが、手間を惜しまないことが、最終的な仕上がりだけでなく、お住まいの耐久性や安心感を守るためにも欠かせない作業です。
点検・調査結果報告
Ⅰ、屋根部分(陸屋根防水含む)
建物の直上部を守ってくれるのが屋根です。屋根部の劣化によって保護機能が低下すると、雨漏りなどの損害が生じる可能性が高まります。塗装の塗膜の劣化以外にも、瓦のズレ・割れ、面土しっくいの剥がれなども雨漏りの原因となる可能性があります。
また鉄骨造やRC造の陸屋根の場合は、雨漏りの原因として、防水層の劣化以外にも排水の詰まりなども挙げられます。
Ⅱ、外壁部分(塗膜劣化、汚染の発生状況)
外壁の塗装膜は、雨水や太陽光線(紫外線)の影響を受け、表層から徐々に劣化していきます。その劣化状況は、チョーキング(白亜化)、塗膜の亀裂・剥がれなどの症状となって現れます。また、建物の美観を損なう汚染は、大気中のホコリによる一般汚染と、カビ・藻類による微生物汚染が主に挙げられます。
Ⅲ、外壁部分(躯体亀裂の発生状況)
外壁のヒビ割れは、温度・湿度による建物の伸縮、内外温度差、乾燥による伸縮、車などによる地響き、地震、地盤沈下などの原因によるものがほとんどです。ヒビ割れ部分から雨水が浸入し、躯体を劣化させ、木部の腐食などを引き起こし、住環境の悪化を招きます。
また、サイディング壁の場合、ジョイント部のコーキング(シーリング)の劣化(やせ・切れ)による雨水の浸入にも注意が必要です。
Ⅳ、軒天井(塗膜劣化、汚染・漏水の発生状況)
軒天井は直上は屋根に守られていますが、風化及び反射による太陽光線(紫外線)により、塗膜の劣化・汚染が生じます。外壁と同じようにチョーキング(白亜化)、塗膜の亀裂・剥がれなどの症状となって現れます。また、屋根部の漏水や雨どいの不具合などによる雨染みや、木部の腐食なども起こりうる場合があります。
Ⅴ、破風及び鼻隠し(塗膜劣化、汚染の発生状況)
破風及び鼻隠しは、屋根側面にあるため、雨水や太陽光線(紫外線)の影響を大きく受けます。屋根・外壁と同じように、チョーキング、塗膜の亀裂・剥がれなどの症状となって現れます。また材質が木材の場合は、著しい劣化が見受けられる場合が多くなります。
Ⅵ、雨樋(劣化、退色・変形・破損などの発生状況)
雨樋は、屋根に落ちた雨水をスムーズに地面の雨水枡へ導くためのものです。塩化ビニール製のものが一般的であるため、太陽熱による退色・変形が生じやすく、雨どいの欠損による外壁への影響も考えられます。また落ち葉などによる詰り、取付金具の欠損による勾配不良などもオーバーフロー(溢れ)の原因となります。
Ⅶ、木部(塗膜劣化、汚染・腐食などの発生状況)
外部の木部は、雨水の影響により腐食が進行します。特に塗料による保護がなく、水はけが悪い状態であると、侵食のスピードが速くなります。現状が塗膜の保護が失われた状態であるならば、早めの処置が望まれます。腐食が進行すると、木部内部に孔が空いたり(孔食)、断面欠損、脱落などの強度低下に陥ってしまい、漏水などを招く場合があります。
Ⅷ、鉄部(塗膜劣化、汚染・腐食などの発生状況)
外部の鉄部は雨水の影響により腐食(錆)が進行します。特に塗料による保護がなくなると、酸化のスピードが速くなります。現状が塗膜の保護が失われた状態であるならば、早めの処置が望まれます。腐食が進行すると、孔が空いたり(孔食)、断面欠損、雨水の浸入、錆汁による汚染などの劣化を招き、塗装工事だけでは補修しきれない、多額の費用を要するようになってしまいます。
Ⅸ、躯体バルコニー防水(防水膜の劣化・汚染の発生状況)
躯体バルコニー(ベランダ)の床は、一般的にウレタン防水、FRP防水、特殊金属防水(プロムナルーフ)が施されています。雨水や太陽光線(紫外線)などの影響により、塗膜の劣化や亀裂・剥がれが生じます。劣化したまま放置すると、躯体バルコニー内部に雨水が浸入しやすくなり、雨水が浸入すると雨漏りや内部構造体への腐食が懸念されます。
Ⅹ、外塀(仕上げ材の劣化・汚染の発生状況)
外塀も仕上げが塗装の場合、外壁と同じように塗膜の劣化や汚染が原因で美観を損ないます。一般的にはコンクリートブロックや化粧ブロックで造られていることが多く、美観を損なうエフロレッセンス(白華)も挙げられるが、強度的な問題はない。配筋の有無は、構造的に関係してくるので、特に古いブロックは配筋の有無を調査しておいた方が良いでしょう。
施工写真ギャラリー
【南側】
【幕板】
【陶器瓦】
(1)点検・調査時
I様邸は築29年で、過去に塗り替えが行われていました。屋根の瓦は陶器瓦なので、前回同様に塗り替えの必要はありません。外壁及び、幕板の塗膜劣化が目立った症状でした。特に南側の幕板は、部分的に素地が露出しており、早めの対処が望まれる状態でした。
【ベランダ床防水】
【電動シャッター雨戸】
【雨戸と戸袋鏡板】
ベランダ床防水はFRP防水(ガラス繊維の上にウレタン防水が施工)なので、雨漏り防止の為に、再度防水工事が必要と判断されました。シャッター雨戸はアルミ製なので、再塗装は避け、その他の鉄製雨戸と戸袋鏡板は、塗装が必要でした。
【西側足場】
【南側足場】
【北側】
(2)仮設足場組み
現場は住宅地で近隣の家からも近いので、事前に挨拶状を配布して、足場仮設の日程と工事の内容をお知らせしました。
【2階の屋根】
【瓦の面土】
【瓦のひび割れ】
(3)足場仮設後の再点検
足場を組んだ後に、2階の屋根瓦から詳しく再点検を行いました。陶器瓦の表面の釉薬(ユウヤク)は雨と紫外線の影響で、全体的に劣化が進行中ですが、屋根の全体的な改修は必要ないと判断しました。但し、若干瓦の表面にひび割れ箇所も見られるので、予備の瓦を準備した方が良いと思われます。
【ベランダ笠木】
【幕板劣化部分】
【雨戸のサビ】
次に各部の状態ですが、ベランダ笠木(カサギ)部分はアルミ製ですが、前回塗装が行われていたので、今回も塗装が必要と考えました。幕板も素地が露出している箇所は下地処理を行い、その上から塗装が必要です。 2階北側の雨戸は錆が発生しており、適宜防錆塗装が必要と判断しました。
【破風板・軒裏洗浄】
【壁の洗浄】
【雨戸・窓ガラス・網戸の洗浄】
(4)高圧洗浄作業
破風板や横樋、軒裏天井、外壁、ガラス窓の周辺、塗装面や非塗装面を真水で洗浄作業を行いました。
【ベランダ床】
【玄関ドア周辺】
【玄関床タイル】
その他にも、ベランダ床や雨戸、玄関周りも高圧洗浄機できれいに洗い流しました。
【使用塗料】
【下塗り】
【下塗り】
(5)軒裏下塗り
ケンエース(白系)で、軒裏天井の下塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り】
(6)軒裏上塗り
再度同じ工程で、上塗りを行いました。
【ケレン作業】
【使用塗料】
【下塗り】
(7)幕板のケレンと下塗り
幕板は初めに全体を専用の道具でケレン作業を行い、クリーンマイルドシリコン(RC-103)ダークブラウンで、下塗りを行いました。
【幕板上塗り】
【幕板上塗り】
【幕板上塗り】
(8)幕板の上塗り
乾燥した状態を確認して、上塗りを行いました。
【縦樋のケレン】
【下塗り】
【下塗り】
(9)雨樋の下塗り
幕板と同じクリーンマイルド(RC-103)ダークブラウンで、縦樋の下塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り】
(10)雨樋の上塗り
再度同じ工程で、雨樋の上塗りを行いました。
【板金ケレン】
【プライマー処理】
【下塗り】
(11)板金部分の下地処理と下塗り
今回の塗り替えでは直接シリコン塗装を行う前に、アルミ部分には塗膜の密着を確保する為に専用のプライマーを塗布して、下塗りを行いました。
【雨切り板金下塗り】
【下塗り】
【下塗り】
(12)板金部分の下塗り
各部鉄部の下塗りを行いました。
【換気扇フード】
【勝手口庇】
【ベランダ笠木】
(13)板金部分の上塗り
鉄部の上塗りを行いました。
【窓廻り】
【ベランダ周辺】
【玄関周り】
(14)非塗装面の養生作業
外壁塗装を行う前に、非塗装面をビニールや布でカバーする作業を養生と云います。美しく仕上げる為の大事な作業です。
【使用塗料】
【施工中】
【施工後】
(15)外壁下塗り
水性ミラクシーラーエコ(クリヤー)で、壁の下塗りを行いました。下塗り塗料は乾燥すると透明になるので、写真で確認する事が大事です。
【使用塗料】
【施工中】
【施工後】
部位:外壁中塗り
水性セラミシリコン(SR-133)で、外壁の中塗りを行いました。
【使用塗料】
【施工中】
【施工後】
部位:外壁上塗り
再度、水性セラミシリコンで、上塗りを行いました。
【下塗り準備】
【プライマー】
【プライマー塗布】
部位:ベランダ防水工事下塗り
2階ベランダはガラス繊維を敷きつめた防水(FRB防水)です。旧塗膜との密着を良くする為に、プライマーを全体に塗布しました。
【防水トップ1層目】
【乾燥時間】
【防水トップ2層目】
部位:ベランダ防水工事上塗り
専用プライマーを乾燥させた後で、防水塗装を2回行いました。
【戸袋サビ発生】
【ケレン作業】
【サビ止め塗装】
部位:(戸袋)鏡板塗装 下地調整
戸袋の鏡板は、部分的にサビが発生している箇所がありました。 先ず、サビを専用の道具でケレン作業を行った後、防錆塗料(黒色)で、サビが発生しにくい様に塗装を行いました。
【シリコン下塗り塗装】
【シリコン上塗り塗装】
【塗装完了】
部位:(戸袋)鏡板塗装 仕上げまで
乾燥した後で、弱溶剤系のシリコン塗装を2回行いました。
【サビ止め塗料】
【サビ止め塗装】
【下塗り→上塗り】
部位:雨戸塗装
雨戸も戸袋同様に、サビのケレン→サビ止め塗装→下塗り→上塗りの順に塗装を行いました。
【施工前】
【施工前】
【施工前】
部位:倉庫塗装(サービス工事)
倉庫の塗装は見積書には入っていませんでしたが、サービス工事として、基本的に住宅と同じ塗料を使用して、同じ手順で塗装を行いました。 (但し、サービス工事は保証の対象外です)
【コーキング】
【下塗り】
【中塗り】
部位:倉庫塗装(中塗り→上塗り)
外壁や軒裏のひび割れ部分を変性シリコンコーキング充填作業を行い、水性ソフトサーフSG(下塗り塗料)→中塗りを行いました。
【上塗り】
【板金・引き戸塗装】
【完了写真】
部位:倉庫塗装(下塗り→中塗り)
中塗り同様水性セラミシリコンで、上塗りを行い、板金部分も前回塗装を参考に色を考えて、弱溶剤系のシリコン塗装を行いました。
【コーキング】
【下塗り】
【中塗り】
部位:瓦の交換と予備瓦
足場を組んだ後の再点検において、1階と2階の屋根瓦にひび割れなどが確認されました。確認したところ、製造メーカーは既に閉鎖されていたので、交換可能な瓦を2セット(8枚)購入して交換を行い、残りは予備瓦としました。
【完了写真】
【完了写真】
【完了写真】
部位:工事完了
全ての工事が完了して、足場解体及び、清掃と物を元の場所に戻して、工事が完了しました。