施工前後比較写真
施工前
施工後
点検・調査結果報告
Ⅰ、屋上陸屋根防水(汚染・漏水の状況改修方法について)
現状の防水方法は、ゴムシートによる防水工事が施工されています。成富ビルの築年数は、西側が44年前(1977年)、東側が18年前(2006年)に建てられたと伺いました。現状のシート防水もその後改修が行われていなければ、18年経過している事になり、既に雨水が建物に浸入していると判断します。改修方法としては、一旦既存のゴムシートを撤去して、下地調整を行い、ウレタン塗膜防水→トップコート塗布が必要と考えられます。
Ⅱ、屋上塔屋天井防水(塗膜の状況、改修方法)
成富ビルの屋上と同様に、塔屋の屋上はゴムシート防水です。前記した個所同様のウレタン塗膜防水が最適と判断します。排水口に関しても、雨漏りの可能性を考えると改修ドレンの施工が望まれます。
Ⅲ、(東面)シーリング・タイルの劣化
建物の東面に限定して記載しました。こちらの面は、2006年(18年前)に建てられた躯体です。縦・横にウレタンコーキングを施行している部分が複数確認できます。ウレタンコーキングの使用限度は約8年程度です。使用期限を倍以上経過しており、変性シリコンコーキングに打ち替えが必要です。諸所に不具合箇所が確認されました。
Ⅳ、(西面)と(南側)
建物の西面は交通量の多い道路に面しており、歩道も設けられています。費用対効果だけでは判断できない要素もあり、
総合的に工事のやり方を考えなければいけません。
南側は隣接した建物との空間が極端に狭く、最小幅は約28cmの区間もあります。他の工事に支障が無ければ、南側は足場を
設けず、基本的に工事を行わない方向で考えては如何でしょうか?
Ⅴ、屋上鉄製柵(塗膜劣化、サビ・断面欠損の発生状況)
屋上の鉄製の柵は、44年前に設置されたものと思われます。(東側 18年前に設置されたフェンスは対象外と考えます。)表面の塗膜は経年劣化が激しく、錆も広範囲に広がっています。原因としては、排気ガス、強風、塗装回数の不足、使用された塗料の種類、その他が考えられます。アルミ製の物に交換する案もありますが、適宜補強・補修を行えば、アルミ製のものよりも安心して使用できるのではないか?と考えます。
Ⅵ、屋上鉄柵断面欠損、他
鉄柵は適宜塗装する前に、欠損箇所を切断して、同じ形状のものを溶接可能であれば、使用可能と判断します。写真の他にも複数個所の補強が必要です。幾つか例として挙げました。 現状のまま塗装するだけではなく、斜めに補強の柱を増設する方法であれば、強度的に十分対応でき、地震などが起こった際に、落下する危険性は無いと判断しました。
Ⅶ、建物内部 内階段(漏水=白華現象)
北側にある内階段の壁には、一部白い粉状のセメント成分が滲み出ていました。白華現象(エフロレッセンス)と云います。躯体の一部からの雨漏りで、セメント成分の炭酸カルシュウムがにじみ出ています。雨漏りの原因は恐らく各階の内階段スペースに明り取りの為に設置してある、はめ殺しのガラス周辺から雨水が躯体内部に染み込んでいる可能性が大きいと判断しました。今回、躯体表面のタイルを打音検査する際に、同時に調査・適宜対応が必要です。
Ⅷ、躯体表面のタイル面不具合箇所
前記したタイルとシーリングの不具合箇所に重複しますが、重要な事象なので再度記載いたしました。建物の北側や東側のタイル表面には、目視の段階で不具合と分かる箇所がありました。タイル面を打診棒で点検する方法を取りますが、通常タイルとコンクリートの躯体に隙間ができる場合やコンクリートの躯体自体に不具合が生じる場合があります。不具合箇所の種類によって、対処方法もそれに最適な改修・補強が必要です。
Ⅸ、西側ベランダ床・内壁周辺
建物の西側はタイル面だけではなく、ベランダ及び、内側に手摺や塗装面があり、床はコンクリート打ちだしで仕上げられています。建設から40数年経過している事もあり、施工箇所と施工しない場所を明確にする事で、オーナー様との意思疎通がスムーズに図れると思い記載しました。
Ⅹ、その他の確認事項
先ず既存のタイルについて、施工したから18年経過しているので、一般的には同じ物は入手困難と考えられます。
次に、仮に足場を設置する場合、歩道側(西側)や北側は、道路使用許可が必須条件となります。(高所作業車を使用する場合でも
同じ手順を踏みます。)ケースによっては、店舗正面の幌テントを一旦外す必要を出てきます。道路使用許可申請は、
書類提出後約2週間程度、許可が下りるまで時間がかかります。
基本的に住宅の塗り替えの際には、どこまで塗装するのか、無塗装の場所はどこなのかをなるべく具体的に確認しておけば、気持ちよく工事が進む様です。 又、タイルやブロックにひび割れ・欠損が無いか確認し、出来れば事前に写真を撮っておく様なケースもあります。最初から最後まで気持ちよく、お施主様にお過ごしいただける様に、細心の注意を払ってまいります。
施工写真ギャラリー
【西側店舗正面】
【外壁タイルの落剝】
【タイル目地の割れ】
(1)工事前・点検時
今から44年前に建てられた西側と18年前に増築された東側の躯体を調査・点検しました。 目視・打診検査の段階では、タイル目地のコーキングの経年劣化やタイルの剥がれ等が目立ちました。
【屋上柵破断】
【屋上柵破断】
【塔屋エフロレッセンス】
(2)工事前・点検時
断した柵は約50本確認できました。 塔屋の軒裏・タイルにエフロレッセンス(白華現象)が発生していました。エフロレッセンス(白華現象)とは、雨水が内部に浸水している事が原因です。この事から防水層を改修する必要があると判断しました。
【陸屋根シート防水層の劣化】
【陸屋根シート防水層の劣化】
【北側ガラス窓】
(3)工事前・点検時
屋上陸屋根ゴムシート防水層をくまなく点検したところ、シート防水層の隙間から躯体内部に雨水が浸水していると判断されます。 又、北側に設置されているガラス窓の周辺から、躯体内部に雨水が浸水している可能性が高いと判断しました。
【排水口の詰まり】
【屋上陸屋根シート防水層の劣化】
【赤外線カメラ同アングル】
(4)工事前・点検時
排水口及び排水ドレンに関しては、今まで改修が行われておらず、躯体内部への雨水の浸水が十分考えられます。 又、再度赤外線サーモグラフィーカメラで陸屋根防水層を撮影したところ、雨水が内部へ溜まっていると思われる個所の温度が高く、防水層の改修が必要と判断しました。
【店舗幌】
【店舗幌】
【店舗幌の一部撤去】
(5)事前工事
一部足場設置場所が道路に面しているので、道路使用許可申請を提出しました。その他、足場仮設の為に店舗の幌を一部外しました。 電線引込に関しては、九電に依頼して、電線カバーを設置しました。
【仮設足場】
【養生ネット等】
【夜間照明ライト・営業中の旗設置】
(6)仮設足場・他設置
法令にもとづいて仮設足場を設置して、夜間照明のライトの設置や点字ブロックなども再度設置し直しました。
【1階壁の下塗り】
【施工中】
【玄関付近】
(7)足場仮設後の再点検
北側ガラス窓は、タイルの隙間のコーキングが既に劣化が進み、落剝している個所や硬化している個所がありました。
【ベランダ側手摺周辺】
【鉄部のチョーキング】
【窓枠コーキングの劣化・ひび割れ】
(8)足場仮設後の再点検
西側ベランダ周辺のモルタル及び手摺などにも、不具合箇所が確認できました。
【切断作業】
【切断片】
【切断後】
(9)屋上鉄柵腐食部分の切断作業
腐食や断面欠損している個所を専用のカターで切断しました。
【溶接済み】
【溶接済み】
【柵補強設置】
(10)屋上柵の溶接作業
破断していた柵を切断した後で、同じように柵を溶接しました。 新たに補強を設けました。
【ケレン作業】
【ケレン作業】
【使用塗料】
(11)鉄部塗装
切断した柵以外にも、錆が発生していたので、ケレン作業を行いました。
【防錆塗装中】
【防錆塗装中】
【防錆塗装終了】
(12)錆止め塗装
柵は新しく設置したものも含めて、全て防錆塗装を行いました。
【使用塗料】
【中塗り】
【中塗り】
(13)鉄柵中塗り
クリーンマイルドシリコン(ニト19-80Ð)で、中塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り完了】
(14)鉄柵上塗り
中塗り同様にクリーンマイルドシリコンで、再度仕上げ塗装を行いました。 併せて、柵の架台部分も同様の工程で塗装しました。
【架台下塗り】
【架台上塗り】
【架台塗装終了】
(15)鉄柵架台塗装
屋上鉄柵の土台モルタル部分を柵と同じ色で塗装しました。
【打診・マーキング】
【打診・マーキング】
【打診・マーキング】
(16)タイル拐取部分の打診検査とマーキング
施工箇所のタイルを全て打診検査を行い、不具合箇所にテープでマーキングを行いました。
【高圧洗浄作業】
【高圧洗浄作業】
【高圧洗浄作業】
(17)高圧洗浄作業
道路を通行される人への洗浄水の飛散に注意しながら、高圧洗浄機でタイル面や開口部の洗浄作業を行いました。
【ブロアー洗浄中】
【ブロアー洗浄中】
【ブロアー洗浄中】
(18)電動ブロアー洗浄
窓枠などのコーキングの劣化個所から、洗浄水が内部へ浸入する危険性が高い場所については、電動ブロアーで汚れをある程度吹き飛ばしました。
【ケレン作業】
【ケレン作業】
【ケレン作業】
(19)西側(ベランダ側)の前工事
ワイヤーブラシと専用の道具で、汚れを除去しました。
【色の選定】
【使用塗料】
【軒裏天井の下塗り】
(20)西側ベランダ廻りの塗装
ベランダ側の軒裏天井と内壁の塗装の色(AS-231色)を決めていただき、塗料を取り寄せました。 軒裏からは湿気を外部に逃がす事が重要です。なので、ノキフレッシュで塗装を行いました。
【天井と内壁の下塗り】
【天井と内壁の下塗り】
【ベランダ壁の下塗り】
(21)西側ベランダ廻りの下塗り
湿気を外に排出する為に、シーラー塗装は行わず、直接ノキフレッシュを塗装します。
【軒裏部分の上塗り】
【軒裏部分の上塗り】
【軒裏部分の上塗り完了】
(22)西側ベランダ廻りの上塗り
再度ノキフレッシュで、仕上げ塗装を行いました。
【旧塗膜ケレン】
【さび止め塗装】
【さび止め塗装】
(23)ベランダ側手摺のケレン作業と防錆塗装
西側ベランダ手摺の錆を除去した後で、錆止め塗装を全体的に行いました。
【使用塗料】
【中塗り】
【中塗り】
(24)ベランダ手摺塗装
屋上の柵を塗装した時と同様に、クリーンマイルドシリコン(ニト19-80Ð)で中塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り終了】
(25)ベランダ手摺塗装
中塗り同様の工程で、仕上げ塗装を行いました。
【泥の除去】
【金具の除去】
【割れたカバー】
(26)ベランダ床排水口の詰まり(サービス工事)
ベランダ各階の床にある、排水口に土や黄砂が堆積して、詰まっていました。泥を清掃・掻き出して、詰まりの原因となっていた金具を取り除きました。
【非常階段の塗装】
【東側通路鉄骨】
【東側通路窓格子】
(27)鉄部の塗装
なるべく既存の色に近い色に調色して、下塗り→上塗りの順序で塗装を行いました。
【磁石による確認】
【ケレン作業】
【ケレン作業】
(28)鉄部下塗り
現場での塗装が可能な鉄かアルミなのかを磁石で確認しながら、鉄部についてはケレン作業を行いました。
【2階格子の下塗り】
【枠廻りの下塗り】
【庇板金下塗り】
(29)鉄部下塗り
クリーンマイルドシリコンを既存色に近い色に調色して、下塗りを行いました。
【2階窓格子の上塗り】
【枠廻りの上塗り】
【庇板金上塗り】
(30)鉄部上塗り
下塗り同様の工程で、上塗りを行いました。
【既存防水層】
【ゴムシート撤去】
【ゴムシート撤去】
(31)屋上既存防水シートの撤去作業
既存のゴムシートをはぎ取りました。
【屋上陸屋根シート撤去後】
【塔屋シート撤去後】
【専用シーラー塗布】
(32)ゴムシート撤去後とシーラー塗布
完全にゴムシートを撤去した後に、躯体と下塗りの密着をよくする為に、専用のシーラーを塗布しました。
【カチオンセメント】
【カチオンセメント塗布】
【カチオンセメント塗布】
(33)カチオンセメント塗布
躯体の不陸調整の為と通気性を確保する専用のカチオンセメントを全体に塗布しました。
【サラセーヌガラス繊維】
【サラセーヌ】
【サラセーヌ敷き】
(34)ガラス繊維張り
陸屋根補強の為に、ガラス繊維(サラセーヌ)を全体に敷き詰めました。
【プライマー】
【プライマー塗布】
【プライマー塗布】
(35)プライマー塗布
【サラセーヌ】
【立上り中塗り】
【床面中塗り】
(36)通気緩衝塗膜防水(サラセーヌ)中塗り
屋上防水層の通気性を確保しながら、防水効果を高める防水材のサラセーヌの中塗りを行いました。
【上塗り中】
【上塗り中】
【上塗り終了】
(37)通気緩衝塗膜防水(サラセーヌ)上塗り
十分に乾燥時間を確保した後で、再度サラセーヌで仕上げました。
【既存ドレン】
【既存ドレン撤去】
【改修ドレン設置・ガラス繊維補強】
(38)排水ドレンの改修➀
排水口(ドレン)は長い年月を経過すると、雨漏りの原因になります。改修用のドレン及びドレンパイプを排水口に設置して、ウレタン防水を周りに塗布します。
【ウレタン塗布】
【改修ドレン設置】
【改修ドレン設置】
(39)排水ドレンの改修②
ウレタン防水を行った後に、各部の排水口に改修ドレンを設置しました。
【防水材】
【防水材】
【防水材】
(40)防水用材料
一部ですが、屋上防水に使用した材料です。
【既存コーキング撤去】
【既存コーキング撤去】
【既存コーキング撤去】
(41)コーキング工事(既存コーキング剥がし)
経年劣化しているコーキングをカッターで剥がしました。
【プライマー塗布】
【プライマー塗布】
【プライマー塗布】
(42)下地処理
コーキングを行う前に、専用のプライマーを塗って、密着を確保しました。
【タイルの境目にコーキング注入】
【窓下コーキング注入】
【明り取り窓廻りコーキング注入】
(43)コーキング注入
コーキングを注入してヘラでならし、テープを剥がしました。
【窓枠とタイルの境目仕上がり】
【窓枠とタイルの境目仕上がり】
【タイルの目地仕上がり】
(44)各部コーキング仕上がり部分
新設した各部の写真です。
【格子窓枠】
【庇境目】
【通気口周り】
(45)各部コーキング仕上がり部分
可能な限り、コーキングを打ち直しました。
【屋上の笠木テーピング】
【コーキング充填】
【コーキング完了】
(46)屋上笠木板金コーキング施工
主に東側の屋上アルミ製の笠木部分に変性シリコンコーキングを打ち替えました。
【埋め込みガラス】
【コーキングの劣化】
【コーキングの欠損】
(47)2階から4階までの明り取りガラスコーキング劣化
内階段に雨漏りの不具合箇所が確認できましたが、主な原因として、各階に設置してある埋め込み式のガラス目地部のコーキングが経年劣化しており、改修が必要と考えました。
【目地部コーキング剥がし】
【テーピング】
【目地部コーキング剥がし】
(48)目地部補修
劣化したコーキングを剥がして、テーピングを行いました。
【使用塗料】
【下塗り】
【下塗り】
(49)目地部防水(下塗り)
防水専用の中塗り塗料を塗布する為の下塗り塗装を行いました。
【使用塗料】
【中塗り】
【中塗り】
(50)目地部防水(中塗り)
中塗り専用の防水塗料(レナフレンド)で中塗りを塗り重ねました。
【使用塗料】
【下塗り】
【下塗り】
(51)目地部防水(上塗り)
水性セラミクリーン(つや消し)の白で、上塗りを行いました。
【各階仕上がり】
【各階仕上がり】
【各階仕上がり】
(52)目地部防水(仕上がり)
2階から4階までの明り取りガラス目地部外側の補修が完了しました。
【足場解体前】
【足場解体中】
【足場解体完了】
(53)足場解体
外部の工事が終わり、オーナー様の許可を頂いた上で、足場を解体しました。
【東側玄関付近】
【西側】
【北側】
(54)通路タキロン張替え
足場設置の為に、通路天井のタキロンを一部剥がしました。足場解体後に、あらためて張り直しました。
【通路の粗大ごみ】
【通路の粗大ごみ】
【ガラス、他】
(55)粗大ごみ撤去(サービス工事)
ご希望の粗大ごみを撤去しました。
【店舗シート撤去】
【店舗シート撤去】
【店舗シート復旧】
(56)店舗シート張り直し
足場設置の為に一部シートを剥がしていましたが、元の状態に復旧しました。
【木製ドア設置】
【パイプ露出】
【アスファルト補修】
(57)
【工事完了】
【工事完了】
【工事完了】
(58)完了写真
全ての工事が終了しました。