施工前後比較写真
施工前
施工後
点検・調査結果報告
Ⅰ、屋根部分(屋根材の劣化具合と対処法、他)
屋根材は一般的にコロニアルと呼ばれる屋根材で、塗り替えは行われていない様です。現状としては、屋根全体の劣化が著しく、高圧洗浄作業を行えば、素地が露出するほど傷んでいます。このまま放置した場合、雨漏りの発生につながりかねません。屋根材自体を交換するよりも適宜塗装を行えば、費用対効果も高いと判断します。お勧めは、弱溶剤系のシリコン塗装です。
Ⅱ、外壁部分(塗膜劣化、汚染の発生状況)
1階と2階の外壁はタイプは違いますが共に窯業系のサイデングボードです。20年ほど前に、メーカーによる外壁塗装が行われていますが、塗膜の劣化が進み、①チョーキング現象や②微生物汚染が目立ちました。前回使用した塗料は、アクリル系又は、ウレタン系の水性塗料です。
耐候性や防水性能から見れば、塗料の耐用年数ははるかに過ぎています。 以上が現状塗膜の概要です。
Ⅲ、コーキング部分(コーキングの種類、劣化・不具合発生の状況)
D (株)の場合、外壁の目地部には、ガスケット目地が使用される傾向があります。それ以外の使用例もありますが、基本的にガスケット目地の上にコーキングを行う事はまれです。現状を点検したところ、コーキングが施工されている事が確認できました。コーキングの劣化や割れが生じた箇所は、再度コーキングが必要です。その場合、使用する種類は、耐候性に優れた変性シリコンコーキングを使用します。
Ⅳ、軒裏天井(塗膜劣化、汚染・漏水の有無)
軒裏(天井)はその位置から、雨や紫外線の影響を直接受けないので、比較的塗膜の劣化は少ない箇所です。 反面、屋根やその他からの雨漏りが発生した場合、屋外から雨漏りの形跡が確認できる数少ない場所なので、全体的に注意して点検を行いました。 結論は、ベランダの裏側に雨漏りの可能性がありました。この点、注意が必要です。
Ⅴ、破風板・雨樋(塗膜劣化、汚染の発生状況)
破風板は鉄板が使用されており、雨樋は塩化ビニール製です。実際に足場を組んで塗り替えを行う場合、破風も樋も同時に塗装した方がより耐候性において優位です。次に使用する塗料の性能ですが、アクリル系→ウレタン系→シリコン系 の順に耐候性や防水性能がアップするとお考え下さい。特に塩ビ製の雨樋は、紫外線の影響で弾力性が低下して、割れや欠けが発生し易くなるので、塗装が必要と考えます。
Ⅵ、鉄部(塗膜劣化、汚染・サビなどの発生状況)
基本的に鉄製の部分は可能な限り塗装を行います。その際大事な点は、サビの発生の有無とサビの処理の仕方です。サビに関しては、専用の道具でケレン作業を行い、その後で防サビ塗装が必要です。その上で下塗り→上塗りの順序で仕上げを行います。一連の工程は、写真を添付した報告書にまとめて、最後に提出すると安心ですね。
Ⅶ、金属部分(塗膜劣化、汚染・サビなどの発生状況と塗装の有無)
Ⅵにおいて、鉄部の塗装を述べましたが、鉄以外の金属やビニールコーティング材については以下の通りです。アルミ・アルミ鋳物・ステンレス・銅板・ガルバリュウムなどの金属は基本的に現場での塗装に不向きです。赤外線焼付塗装でなければ、塗膜剥離などの事故が起こる危険性が高まります。但し、この点を踏まえて、お客様が望まれるのであれば、サービス工事の範囲としての塗装は可能です。(その場合は、保証の対象外とさせていただきます。)
Ⅷ、無塗装箇所の確認
以下については、無塗装とさせていただきます。確認の為に記載しました。
Ⅸ、ベランダ床防水(防水膜の劣化・汚染の発生状況)
ベランダ床防水は、シート防水が施工されています。細かなひび割れが生じており、雨漏りの原因箇所になりかねません。再施工が急務です。
Ⅹ、ベランダ手摺と笠木(カサギ)部分について
今回の点検と見積もりは、外部塗装の見積りご依頼でした。しかし、塗装以外でも不具合が見つかりました。この様なケースは多々あります。その場合、改修を行うか?部分的な補修で経過を見るのか? これはお施主様のご意見を反影したものになります。なぜならば、改修の場合経費がかさむからです。 この費用対効果も考慮して、再度検討される事をお勧めします。
施工写真ギャラリー
【屋根材素地劣化】
【屋根材素地劣化】
【2階壁塗膜劣化】
(1)工事前・点検時
W様邸は築27年で、一度部分的な塗り替えが行われていました。 屋根は無塗装で屋根材自体が傷んで、防水性能は低下していました。 外壁の塗膜も諸所に劣化が見られました。
【笠木のジョイント剥がれ】
【コーキング劣化】
【外壁塗膜の劣化】
2階のベランダ笠木(カサギ)部分は、コーキングの劣化や笠木ジョイント部分に不具合が発生して、建物内部への雨水の浸入も懸念されました。
【雨樋】
【剥がれ・サビ発生】
【雨戸】
樋は色褪せが酷く、鉄部の塗装被膜が剥がれている箇所も確認できました。雨戸の色褪せ(退色)も見られました。
【植木選定前】
【植木選定前】
【植木選定中】
(2)工事前作業(植木の剪定)
入り口付近の塀などは、サービス工事で塗装する事にしましたが、植栽が茂り、ある程度塗装を前提に枝や葉の剪定作業を行いました。
【足場仮設中】
【仮設足場組み完了】
【仮設足場組み完了】
(3)仮設足場工事
住宅の全周に足場を組んで、近隣への塗料の飛散防止の為に、メッシュネットで覆いました。
【屋根洗浄】
【ベランダ床洗浄】
【軒裏洗浄】
(4)高圧洗浄作業
屋根の洗浄に関しては、近隣への汚れた水が飛散しない様に専用の器具で洗いました。軒裏・雨樋・雨戸や窓、ベランダの床も洗浄しました。
【外壁洗浄】
【玄関ドア周辺】
【玄関床】
(5)高圧洗浄作業
玄関ドアや周辺も洗浄水が室内に入らない様気をつけながら、洗浄作業を行いました。
【シーラー塗布】
【コーキング充填】
【仕上げ】
(6)コーキング工事
硬化したコーキングは撤去して、変性シリコンコーキングで打ち直しを行いました。
【剥離作業】
【剥離後】
【屋根ケレン作業】
(7)下地処理
1階屋根の板金は塩ビコーティング部分がほぼ全て剥がれ落ちました。 屋根の小口はワイヤーブラシでコケを除去しました。
【雨戸サビケレン】
【雨戸サビケレン】
【防錆塗料】
(8)雨戸錆びとり
雨戸は一旦外して、工場に持ち帰りました。(雨戸があると、外壁の一部が塗れない箇所もあります。)先ず、サビを専用の道具や機械で除去しました。次に、マイルドサビガード黒(防錆塗料)で、塗装しました。
【防サビ塗装】
【塗膜劣化 現状色の違い】
【劣化が少ない雨戸に調色】
(9)防サビ塗装と雨戸の色あわせ
雨戸の錆が出ている部分に錆止め塗装を行い、次に塗膜の劣化が少ない雨戸の色にあわせて、クリーンマイルドシリコンを調色しました。
【下塗り】
【上塗り】
【塗装完了】
(10)雨戸の下塗り→上塗り
色あわせしたクリーンマイルドシリコンで、下塗り→上塗りの順に塗装しました。
【使用塗料】
【サビ止め塗装】
【下塗り】
(11)板金下塗り
鉄部は錆が発生している所をケレンして、防錆塗装を行いました。その上から、クリーンマイルドシリコンで、下塗りを行いました。
【使用塗料】
【縦樋下塗り】
【横樋下塗り】
(12)雨樋の下塗り
クリーンマイルドシリコンで、雨樋の下塗りを行いました。
【使用塗料】
【下塗り】
【上塗り】
(13)軒裏塗装
NAKベースつや消し(白)で、軒裏を塗装しました。
【使用塗料】
【幕板下塗り】
【幕板下塗り】
(14)幕板下塗り
クリーンマイルドシリコン(黒)で、幕板(帯部分)の下塗りを行いました。
【使用塗料】
【下塗り】
【下塗り】
(15)外壁下塗り
水性ミラクシーラーエコ(クリヤー)で、壁の下塗りを行いました。
【使用塗料】
【中塗り】
【中塗り】
(16)2階の壁中塗り
水性セラミシリコン(SR-174)で、2階の壁の中塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り】
部位:2階の壁上塗り
中塗りと同じ工程で、2階の壁を仕上げました。
【使用塗料】
【施工中】
【施工後】
部位:1階の壁中塗り
水性セラミシリコン(SR-165)で、1階の壁の中塗りを行いました。
【上塗り】
【上塗り】
【上塗り】
部位:1階の壁上塗り
1階の壁の仕上げ塗装を行いました。
【巾木撤去時】
【雨漏りによる腐食】
【腐食部分補強】
部位:ベランダ床 内部雨漏りによる腐食→補強(サービス工事)
ベランダ床の防水工事を行うために、床のゴムシートを剥がしたところ、立上り部分の木部が既に腐食していました。過去のベランダ笠木部分からの漏水が原因の一つだった可能性があります。既に防水工事作業中だったので、下地を補強して、工事を続行しました。サービス工事の範囲と考えます。
【鉛ドレンに交換】
【シーラー塗布→立上り中塗り】
【中塗り】
部位:下塗り→中塗り
排水口のドレンを新しく鉛ドレンに交換して、高低差による不具合を低減した後で、シーラー塗装(下塗り)から、ウレタン防水中塗りへと作業を進めました。*厚めにウレタン防水材を塗っています。
【立上り部分ウレタン上塗り】
【床面上塗り中】
【上塗り終了】
部位:ウレタン防水上塗り
1日乾燥させた後、再度、ウレタン防水材をコテで塗り、防水工事を終了しました。
【釘手直し】
【コーキング補修】
【ジョイントコーク】
部位:屋根の下準備
屋根押え板金部分のクギが出ているのが気になったので、金づちで打込み、コーキングで押えました。 棟板金のジョイント部分も、コーキングで再度カバーしました。
【欠けた屋根材】
【コーキングで接着】
【コーキングで接着】
部位:屋根の下準備
コロニアル屋根材が欠けている箇所は、可能な限り元の位置に戻して接着しました。
【使用塗料】
【下塗り】
【下塗り】
部位:屋根の下塗り
マイルドシーラーEPOクリヤーで、屋根の下塗りを行いました。(屋根材自体が劣化しており、脆弱になっているので、エポキシ系の下塗り材で、固める役目が期待できます。)
【使用塗料】
【中塗り】
【中塗り】
部位:屋根の中塗り
ヤネフレッシュSi(シリコン)RC-103 ココナッツブラウンで、中塗りを行いました。
【施工前】
【施工中】
【施工後】
部位:屋根の上塗り
ヤネフレッシュSi RC-103で、再度上塗りを行いました。
【使用塗料】
【雨切り板金中塗り】
【雨切り板金上塗り】
部位:板金中塗り→上塗り
クリーンマイルドシリコン RC-103ココナッツブラウン(屋根と同色)で、中塗り→上塗りを行いました。
【横樋上塗り】
【横樋上塗り】
【横樋上塗り】
部位:雨樋上塗り
クリーンマイルドシリコン RC-103ココナッツブラウンで、雨樋の上塗りを行いました。
【使用塗料】
【上塗り】
【上塗り】
部位:幕板の上塗り
クリーンマイルドシリコン黒で、幕板の上塗りを行いました。
【ケレン作業】
【門扉下塗り】
【塀の上塗り】
部位:門扉と塀の塗装(サービス工事)
基本的にアルミ素材は塗装しませんが、お施主様のご要望で塗装しました。尚、サービス工事については、保証の対象外とさせていただきます。
【玄関柱】
【タイル接着】
【レンガ接着】
部位:玄関柱の塗装とコーキング(サービス工事)
アルミ製の玄関をクリーンマイルドシリコン黒で塗装した後、根元をシリコンコーキングしました。 玄関床のタイルやレンガの剥がれた箇所は、シリコンコーキングで接着しました。