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N様邸 福岡県嘉麻市上山田

施工前後比較写真

写真:N様邸の施工前
施工前

写真:N様邸の施工後
施工後

点検・調査結果報告

Ⅰ、雨漏り箇所の確認(施工範囲と主な原因について)

 前回雪が降った日以降に、室内に雨漏りが発生したとうかがいました。2階の樋から現時点でも、水が垂れている状態でした。確認の為にお母さまからお話を伺ったところ、やはり、以前に瓦の手直しをしたところから、雨漏りが発生していると判断します。
 コーキングやモルタルで補修をしていますが、結果から言えば、手直しの仕方が悪かった
と結論されます。手直しの具合から、専門業者ではない事が推察されます。一度、この部分を剥がして、再度補修工事を行う必要があります。

Ⅱ、瓦及び瓦の下地

 鈑金屋根と瓦の境目の手直し箇所も、条件が揃えば雨漏りが発生している可能性が高い様です。次に瓦を剥がしてみると、瓦の下地に雨ジミが確認されました。全体的に瓦を剥いだ訳ではないので、断定は出来ませんが、新築以来、下地は改修されていない様でした。一般的に屋根瓦は、30年前後で下地の防水性能が極端に低下します。本来であれば、屋根を全体的に改修する時期が来ていると思います。

Ⅲ、1階車庫側の瓦の不具合

 1階の車庫側の屋根にも、雨漏りの発生原因箇所がありました。鬼瓦の取り付け部分のモルタル落剝個所と2階の壁の境目付近の面土(メンド)の剥がれです。特に面土の剥がれに関しては、手直しを行わないと、雨漏りは完全には収まらないのではないか?と思います。

Ⅳ、雨樋の不具合(雨樋素材の性能低下・金具の欠損・その他)

 雨樋は新築当時のままが現在も使われている模様です。熱による変形や弾力性の低下で雨水が正常に排出されていません。
加えて、樋金具も一部欠落しており、特に雪が降った後で、樋が押されて今回の雨漏りの直接の原因になったと判断します。
 雨樋(縦樋・横樋・取付金具)も全て交換する事が賢明な判断だと思います。

Ⅶ、鉄部(塗装の有無の確認、他)

 鉄部は基礎と外壁の境目の板金部分です。シャッター雨戸も鉄製の様ですが、再塗装した場合、塗膜が厚くなる分、開閉時に事故が起こる危険性があり、建築メーカーからの指導で、シャッター雨戸は塗装しない場合が多い様です。仮に塗装をお望みの場合は、保障の対象外とさせて頂きます。

Ⅷ、無塗装部分の確認

鉄以外の金属(アルミ・ステンレス・銅板・ガルバリュウム鋼板)などを住宅に使用する事がありますが、基本的に無塗装とさせて頂きます。塗膜剥離やリフティング(塗膜の縮み)などが起こり易く、専用の下地処理剤を使用しても、事故が発生する場合があるからです。この点 ご理解願います。

Ⅸ、躯体バルコニー防水(防水膜の劣化・汚染の発生状況)

 躯体バルコニー(ベランダ)の床は、一般的にウレタン防水、FRP防水、特殊金属防水(プロムナルーフ)が施されています。雨水や太陽光線(紫外線)などの影響により、塗膜の劣化や亀裂・剥がれが生じます。劣化したまま放置すると、躯体バルコニー内部に雨水が浸入しやすくなり、雨水が浸入すると雨漏りや内部構造体への腐食が懸念されます。

Ⅹ、外塀(仕上げ材の劣化・汚染の発生状況)

 外塀も仕上げが塗装の場合、外壁と同じように塗膜の劣化や汚染が原因で美観を損ないます。一般的にはコンクリートブロックや化粧ブロックで造られていることが多く、美観を損なうエフロレッセンス(白華)も挙げられるが、強度的な問題はない。配筋の有無は、構造的に関係してくるので、特に古いブロックは配筋の有無を調査しておいた方が良いでしょう。

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